小六 禮次郎氏

Reijiro Koroku

“譜面は演奏者とのコミュニケーション ~ その役割を果たすのがシベリウス”

【プロフィール】
作・編曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。映画音楽・TV・CD・CM・舞台・イベントと幅広く多方面にわたって活躍中。主な作品に映画「ゴジラ」、大河ドラマ「功名が辻」、連続テレビ小説「さくら」、PS2「決戦」シリーズ、世界劇「黄金の刻」、舞台「法然と親鸞」等多数。現在東京音楽大学映画放送音楽コース客員教授。

小六 禮次郎氏使い始めたきっかけと使用感

様々なジャンルの作編曲家として活躍中の小六さん、Sibeliusは人からの紹介で使い始め、今では作編曲活動においては手放せないツールとなっている。「実は以前、 他の楽譜作成ソフトを使っていました。機能の三分の一も、使えていない状態でした。ある日知り合いから、『Sibeliusすごく良いですよ、軽くてフォントも綺麗だし』と 紹介されたので、『じゃあ使ってみようかな』と、すぐ購入して使い始めたんです。その通り、本当に使いやすかったですよ、僕にとってね。」

「ソフトによって一長一短あるけれど、軽い使用感が一番だね。」とアプリケーションの動作とファイルの軽さも重視している。「僕はあまり譜面そのものに固執はして いなくて、 仕事柄どんどん書いていって現場でものを言うことが多いかな。クラシックや現代曲だと譜面にすべて思いを込める反面、僕みたいな使い方をする人間に とってはSibeliusって実用的で使い勝手が良いのです。 だから今はSibeliusが手放せないし、どんどん使っています!北海道にも仕事場があるのでメールでファイル を送ることもしばしば。ファイルが軽いのでそういった点でも重宝しています。 僕の業種にとっては特に良いのかもしれませんね。フォントが綺麗でパソコンの画面上で 見やすいというのもポイント高いです。」

再生について

「再生に関してはデモテープレベルで使っているくらいです。オーケストラの譜面をかいたらそのまま鳴らすことが多いので、あまり再生はちゃんとして いなくてもいいんです。ただ、人にプレゼンすることを考えると・・・それは正直、他のソフトのほうがいい部分もあります。今は新しいのは出ていないし、 ノーテーションソフトとしてというよりシーケンサーとして使っていたソフトですが。完全なものではなくても良いので、再生やグラフィックで機能がもう ちょっとエディットできる仕様になればいいなって思います。ないものねだりかな?あくまでも見た目の美しさ重視で、かつ再生機能が強化されると良いですね。」

楽譜のレイアウト

実際に人からの紹介がきっかけで使い始めたようですが、聞いていた内容と実際の感触を聞いてみました。「ほぼ期待通りでした。きれいだし使いやすくて軽い、 っていうのは全くそうです。特に編集しなくてもすぐに美しい画面が引き出せます。インストールされるフォント(Opus)が美しい。最初の設定からバランス良く しかも使いやすくできているので、自分のスコアタイプさえ一回決めてしまえば後は楽です。オーケストラのスコアは楽器編成が大きいのでA3を使っても譜表がもの 凄く小さくなります。それを書くのが非常につらくなってきてね。それ以上大きい紙は通常使えませんからね、現代音楽以外は。A3が限度でオーケストラの譜面を 書くと後はプリントアウトして確認、なかなか良い感じですよ。」

ダイナミックパート™

「基本的にはオーケストラ編成のスコアを仕上げた後、その先のパート譜作成は他の人に、もっと長いもの(オペラ等)はすべて専門の写譜屋さんにお願いしています。 ダイナミックパート? や音域チェック(赤色表示)も便利で、最後に各楽器の音域チェックをするときにこの機能を使います。Sibelius 4で新規に追加されたダイナミック パート™の機能はクリックすればすぐパート譜を見ることができますし、便利です。作曲家っていろんなプレイヤーに気を使うんですよね。例えばパート譜見ると 『ちょっと休み(休符)が多いぞ!?フルートほとんど吹かしてないな』っていうのは、パート譜見るとすぐにわかるんですよね。休みが多すぎるからここで1フレーズ、 なんて要領でね。どの楽器もなるべく演奏に参加させるように配慮します。音楽家もそうですが、人間って本当に不思議なもので、自分が役に立っているかどうかは非常に 重要なことで、オーケストラに関しては特にそういった面も考慮して書きます。逆に重要なソロの前では絶対に休ませることも重要。特に管楽器は。僕も実は楽器を弾いて いたので敏感なんです。昔はスコアだけでチェックしていましたが今はこうしてパート譜もすぐに確認できるので、より便利ですね。こういった部分は楽譜(パート)を 見ればすぐに分かるわけですよね。」と、曲を書きながら全ての演奏家を気遣う上で、この新機能は役に立っているようだ。

「ソフトによって一長一短あるけれど、軽い使用感が一番だね。」とアプリケーションの動作とファイルの軽さも重視している。「僕はあまり譜面そのものに固執はして いなくて、 仕事柄どんどん書いていって現場でものを言うことが多いかな。クラシックや現代曲だと譜面にすべて思いを込める反面、僕みたいな使い方をする人間に とってはSibeliusって実用的で使い勝手が良いのです。 だから今はSibeliusが手放せないし、どんどん使っています!北海道にも仕事場があるのでメールでファイル を送ることもしばしば。ファイルが軽いのでそういった点でも重宝しています。 僕の業種にとっては特に良いのかもしれませんね。フォントが綺麗でパソコンの画面上で 見やすいというのもポイント高いです。」

今後欲しい機能

「ブロック機能というのかな?ビッグバンドを書いているとき、4~5声部のラインが頭の中にあって両手で一気に弾いて譜面にすることが多いのです。 例えば 5声部を書いたらサックス5声分の譜表を作ってから分けて貼りつけないといけない・・・これが面倒です。前に使っていたソフトではその機能があったので、 Sibeliusにもあると便利ですね。その他にも、例えばハープやピアノで左手から右手に続くフレーズってありますね。これも同じで、後で2つの譜表に分けないといけないん ですよ。これに関しては手書きのほうが早いかもしれませんね。もちろんSibeliusの譜表間で音符を移動させるツールは使っていますが、最後に休符が残ってしまい、 自動的に消えないのは不便です。かなりの頻度で使うので、この機能が欲しいです。技術をフォローするのがノーテンションソフトの役割ですからね。毎回面倒なのは嫌です(笑)。 要するに、分ける作業がもっと簡単になれば嬉しいです。」

楽譜の役割とソフトで作成する利点

「譜面は自分の分身みたいに考える人(手書き派)も多くいらっしゃいますね。私は、最終的な出音のほうが重要とされる場合、ノーテーションは単に介在するものと 考えています。譜面は『演奏者とのコミュニケーション』ですね。10年前までは手書きでした。コンピュータ上で楽譜を作成する一番の利点はコピー&ペースト、これに 尽きます!後は編集機能。コピーしてどんどんアレンジできるから嬉しいです。昔は転調するのも面倒でしたから。手書きと比べたらよりこの良さを実感できるのですよね。 本当に、あっという間です。ショートカットはものすごく使いますから、たいていのコマンドはショートカットで覚えています。覚えやすいですし。周りの人にもSibelius、 使い勝手が良いのですすめています。」

パノラマは教育支援ツールとしても貢献します。ページの区切りやページの終わりに行き着いたところで作曲を諦めてしまうこともあります。パノラマはこの バリアを取り払い、学生が作品において更なるアイデアを持ち続け、より大きな可能性を探求するように支援します。